○職場におけるパワー・ハラスメントの防止等に関する要綱

令和2年7月10日

訓令第13号

(趣旨)

第1条 この要綱は、人事行政の公正の確保、職員の利益の保護及び職員の能率の発揮を目的として、パワー・ハラスメントの防止のための措置及びパワー・ハラスメントが行われた場合に適切に対応するための措置に関し、必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この要綱において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) パワー・ハラスメント 職務に関する優越的な関係を背景として行われる、業務上必要かつ相当な範囲を超える言動であって、職員に精神的若しくは身体的な苦痛を与え、職員の人格若しくは尊厳を害し、又は職員の勤務環境を害することとなるようなものをいう。

(2) パワー・ハラスメントに起因する問題 パワー・ハラスメントのため職員の勤務環境が害されること及びパワー・ハラスメントへの対応に起因して職員がその勤務条件につき不利益を受けること。

(市長の責務)

第3条 市長は、職員がその能率を充分に発揮できるような勤務環境を確保するため、パワー・ハラスメントの防止及び排除に関し、必要な措置を講ずるとともに、パワー・ハラスメントが行われた場合においては、必要な措置を迅速かつ適切に講じなければならない。

2 市長は、市長部局の職員が他任命権者の職員からパワー・ハラスメントを受けたとされる場合には、当該他任命権者に対し、当該他任命権者の職員に対する調査を行うよう要請するとともに、必要に応じて当該他任命権者の職員に対する指導等の対応を行うよう求めなければならない。

3 市長は、パワー・ハラスメントに関する苦情の申出、当該苦情等に係る調査への協力その他パワー・ハラスメントが行われた場合の職員の対応に起因して当該職員が職場において不利益を受けることがないようにしなければならない。

(職員に対する指針)

第4条 市長は、パワー・ハラスメントを防止しパワー・ハラスメントに関する問題を解決するために職員が認識すべき事項について、指針を定めるものとする。

2 市長は、職員に対し、前項の指針の周知徹底を図らなければならない。

(職員の責務)

第5条 職員は、パワー・ハラスメントをしてはならない。

2 職員は、前条第1項の指針を十分認識して行動するよう努めなければならない。

3 所属長その他職員を管理監督する地位にある者は、パワー・ハラスメントの防止及び排除に努めるため次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 良好な勤務環境を確保するため、日常の業務を通じた指導等によりパワー・ハラスメントの防止及び排除に努めること。

(2) 所属職員の言動に留意し、パワー・ハラスメントが職場に生じていないか、又は生じる恐れがないか勤務環境に十分注意を払い、勤務環境を害する言動等を見逃さないようにすること。

(3) 所属職員から相談又は苦情の申出があった場合は、プライバシーの保護に留意しながら迅速かつ適切に対応すること。

(4) 職員が職務の遂行にあたり、行政サービスの相手方等職員以外の者からパワー・ハラスメントを受けた場合には、良好な勤務環境を確保するよう適切な対応を行うこと。

(5) パワー・ハラスメントに起因する問題が生じた場合は、プライバシーの保護に留意しながら問題に係る者に対し、助言、指導その他必要な措置を迅速かつ適切に対応すること。

(研修等)

第6条 市長は、パワー・ハラスメントの防止等のため、職員の意識の啓発及び知識の向上を図らなければならない。

2 市長は、パワー・ハラスメントの防止等のため、職員に対し、研修を実施しなければならない。この場合において、特に、新たに職員となった者にパワー・ハラスメントに関する基本的な事項について理解させること並びに昇任した職員にパワー・ハラスメントの防止等に関し昇任後の役職段階ごとに求められる役割及び技能について理解させることに留意するものとする。

(苦情相談窓口の設置)

第7条 市長は、パワー・ハラスメント及びパワー・ハラスメントに起因する問題(以下「パワー・ハラスメント等の問題」という。)に関する苦情相談窓口(以下「窓口」という。)を設置する。

2 窓口は、総務部人事課人事研修係及び総務部総務課人権・男女共同参画係とする。

3 窓口担当課の担当職員は、苦情相談に係る問題の事実関係の確認及び当該苦情相談に係る当事者に対する助言等により、当該問題を迅速かつ適切に解決するよう努めるものとする。この場合において、担当職員は別に定めるパワー・ハラスメントに関する苦情相談に対応するに当たり留意すべき事項についての指針に十分留意しなければならない。

4 窓口担当課の担当職員は、苦情相談を受けた時は、別に定めるハラスメント相談受付処理票を作成し、相談者の意向を確認し、総務部人事課長に報告する。

5 総務部人事課長は、苦情相談の内容から判断し、必要と認めるときは、第10条に規定するハラスメント苦情処理委員会に処理を依頼するものとする。

(窓口への申込方法等)

第8条 パワー・ハラスメント等の問題を受けていると思う職員又は他の職員に対するパワー・ハラスメント等の問題を不快に思う職員は、所定の相談申込書に必要事項を記入の上窓口へ提出するものとする。

2 窓口担当課の担当職員は、前項の規定による申込みを受けたときは、速やかに相談日時、相談場所を申込者(以下「相談申込者」という。)に通知するものとする。

(苦情相談の処理)

第9条 前条の規定による苦情相談を受けた窓口担当課の担当職員は、所定の相談整理簿にその内容を記録し、総務部人事課長へ提出するものとする。この場合において、当該相談整理簿の提出を受けた人事課長は、速やかに次に掲げる措置を講ずるものとする。

(1) 事実関係を調査し、及び確認し、当該事項に基づき相談申込者及び関係職員並びに関係所属長に対して指導、助言等を行うこと。

(2) 前号の措置について、ハラスメント苦情処理委員会へ報告すること。

2 前項の措置を講じたにもかかわらず、苦情相談に係る問題の解決を図ることが困難と認められるときは、人事課長は、当該苦情相談に係る処理をハラスメント苦情処理委員会に依頼することができる。

(ハラスメント苦情処理委員会の設置)

第10条 パワー・ハラスメント等の問題に関する苦情を審議し、及び公正な処理に当たるため、ハラスメント苦情処理委員会(以下「委員会」という。)を設置する。

2 委員会は、パワー・ハラスメント等の問題のうち前条第2項の規定によりその処理を依頼された事案について事実関係を調査し、その対応を審議し、相談申込者及び関係職員並びに関係所属長に対して指導し、並びに助言等を行うものとする。

3 委員会は、別表に掲げる委員をもって組織する。

4 委員会に委員長を置き、総務部長をもってこれに充てる。

5 委員長は、会務を総括し、委員会を代表する。

6 委員会の庶務は、総務部人事課において行う。

(対応措置)

第11条 人事課長又は委員会による調査の結果、パワー・ハラスメント等の問題を引き起こしているとの判定をした場合には、その程度に応じて懲戒等の必要な措置を講じるよう各任命権者へ報告を行うものとする。

(プライバシーの保護等)

第12条 パワー・ハラスメント等の問題の処理を担当する窓口担当課の担当職員、総務課職員及び人事課職員並びに委員会の委員は、関係者のプライバシーの保護及び守秘義務を徹底し、相談申込者及び関係職員が相談を行ったことによって不利益を被ることがないよう留意しなければならない。

(その他)

第13条 この要綱に定めるもののほか必要な事項は、市長が別に定める。

この要綱は、令和2年8月1日から施行する。

別表(第10条関係)

ハラスメント苦情処理委員

総務部長

教育次長

総務課長

人事課長

総務課人権・男女共同参画係長

人事課人事研修係長

玉野市職員組合が推薦する職員

岡山県自治体一般労働組合玉野支部が推薦する職員

職場におけるパワー・ハラスメントの防止等に関する要綱

令和2年7月10日 訓令第13号

(令和2年8月1日施行)